現役選手を対象にした「現役ドラフト」が日本でも導入されるようですね。
これは出場機会に恵まれない選手の移籍を活性化させるの為の制度です。
日本ではまだ議論が始まった段階ですが、メジャーリーグや韓国プロ野球ではすでに導入されており一定の効果が出ています。
2つのリーグで実施されているルールの概要と日本ではどのようなルールになるのかについて考えてみました。
現役ドラフト制度が日本でも導入される!?
日本のプロ野球で導入が検討されているのが「現役ドラフト」という制度です。
これは出場機会の少ない選手の他球団への移籍を活性化させ、所属球団による「飼い殺し」の状況を防ぐためのルールです。
制度の概要を簡単に説明すると「1軍に定着できていない現役選手を他球団が指名して獲得できる」というもの。
毎年10月に行われているドラフト会議はアマチュアからプロになるための新人ドラフトですが、「現役ドラフト」で指名される選手は全てプロの現役選手になります。
選手層の厚いチームでは有望な選手でも、1軍と2軍を行ったり来たりという事も多々あります。
現役ドラフトが上手く機能すると、そんな選手に出場機会を与え、さらに獲得したチームも戦力アップが期待できます。
とはいえ、NPBでは選手会が要望を出したことで導入に向けて議論が始まったところ。
まずはすでに導入されているアメリカのメジャーリーグと韓国プロ野球のルールを見ていきましょう。
現役ドラフト メジャーでは「ルール5ドラフト」
アメリカのメジャーリーグでは現役ドラフトの事を「ルール5ドラフト」と呼んでいます。
というルールになっています。
日米で選手枠などの違いがあるので簡単に説明すると、
40人枠というのはメジャー契約を結んでいる選手のことで、その中から25人枠というベンチ入りメンバーが選ばれます。
そしてルール5を日本のプロ野球にあてはめるとだいたいこんな感じになります↓
指名対象の選手・・・2軍の選手、育成契約の選手
高卒なら在籍5年未満、大卒・社会人なら在籍4年未満の選手は対象外
指名したチームは翌シーズン全期間ベンチ入りさせなければいけない
現役ドラフト 韓国では「2次ドラフト」
次は韓国プロ野球の場合です。
韓国での現役選手を対象にしたドラフトは2011年から「2次ドラフト」という名前で導入されています。
メジャーリーグと違うのは選手の出場機会の確保だけでなく、球団ごとの戦力の均衡化も目的としているところです。
韓国の2次ドラフトでは若い選手が出場機会を得て一気にブレイクする場合もあるようですが、
40人のプロテクトにもれたベテラン選手が出場機会を得て再活躍するケースが多いようです。
日本でいうところのFA移籍に伴う人的補償に似ている感じでしょうか?
現役ドラフトのルールは日本ではどうなる?
それでは最後に日本の現役ドラフトはどのような形になるのか見ていきましょう。
まず呼び名ですが、今のところ「ブレイクスルードラフト」という仮称がついています。
細かなルールについては、選手側、球団側がそれぞれ意見を出し合っているところなので導入まではもう少し時間がかかりそうです。
現在議論されている主なポイントは2つ。
現役ドラフトを行う『時期』と『指名対象となる選手の範囲』です。
『時期』はシーズン開幕前の3月や、7月末のトレード移籍期限が終わった8月、シーズン終了後の12月などの案が出ています。
『指名できる選手の範囲』は、
各球団が自チームの指名可能な選手(かなり失礼ですよね^^;)を数名ピックアップし他球団に指名してもらう案。
逆に各球団が守りたい選手をプロテクトし、それ以外の選手の中から指名してもらう案。
もう一つは年俸が一軍の最低年俸に満たない選手全員とする案。
などが出ているようです。
現役ドラフトの導入が所属球団による「飼い殺し」を防ぐという事を考えると、「一軍の最低年俸に満たない選手全員」というのが良さそうですね。
時期についてはベストな案を決めるのは難しいのですが、7月まではトレードなどで補強、10月には新人選手のドラフト会議で補強、足りない部分を現役ドラフトで補うと考えれば12月開催が良いのかなと思います。
12月なら翌年の春キャンプには新チームの一員として参加できますしね。
まとめ
日本で導入予定の「現役ドラフト」
現在議論されている内容は、メジャーと韓国リーグのルールをごちゃまぜにした感じですね。
野球ファンとしては面白い試合が見たいので、
選手の出場機会の確保だけでなく、韓国プロ野球のような戦力の均衡化も目的の一つにしたルールにしてほしいと思います。
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