アメリカのメジャーリーグでは毎年のように新しいルールを試しているのですが、
今年は「一塁盗塁」という、びっくりするような新ルールの導入を検討しているそうです。
導入されると今までの野球を変えてしまうかもしれない「一塁盗塁」
この新ルールの概要と導入された際にどのような影響が出るのかを考えてみました。
「一塁盗塁」という新ルールが導入されると野球が大きく変わる!?
先日流れたスポーツニュースによると、米メジャーリーグでは今までの野球を大きく変えてしまうような新ルールの導入を検討しているとのことでした。
その新ルールというのは「一塁盗塁」を認めるというもの。
「一塁盗塁」というのは初めて聞く言葉ですが、イメージとしては振り逃げで打者走者が一塁へ走るプレーに近いものがあります。
通常であれば振り逃げというのは「1塁にランナーがいない or 2アウト」の条件で、
3ストライクを取られた際にキャッチャーがノーバウンドで正しく捕球できなかった場合に、打者は1塁への進塁を試みる事ができます。
それに対して「一塁盗塁」というのは、2ストライクでなくてもキャッチャーが捕球できなかった時に一塁への進塁を試みることが出来るというルールです。
もしこのようなルールが採用されるとバッテリー(投手と捕手)は常に気が抜けませんね。
私は捕手をしていた経験があるのですが、ランナーがいる時に落ちるボールを要求するのは緊張したものです。
ワンバウンドする可能性の高い落ちる変化球はパスボール(後ろにそらしてしまう)のリスクが高くなるからです。
特に3塁にランナーがいると、パスボール=失点になってしまいます。
また一度パスボールをしてしまうと、次に同じボールを要求する時には「覚悟」を決めてサインを出す必要があります。
しかしランナーが2塁、1塁となるにつれて緊張感は和らいでいき、ランナーがいないときにはパスボールの事は考える必要はありません。
しかし「一塁盗塁」のルールが実施されると、気が休まる時がありませんね。
現在のところ、このルールはメジャーリーグで正式に採用されたものではありません。
今はまだ実験的に独立リーグで試している段階だそうですが、
もし採用されることになると、数年後には日本のプロ野球でも採用されるかもしれません。
メジャーではかつて2塁から1塁への「逆走盗塁」も可能だった!
メジャーリーグでは毎年のように新しい試みを実施しています。
ここ最近でいうと
・コリジョンルール
・リプレー検証
・申告敬遠
・ロボット審判など
この中でコリジョンルールとリプレー検証、申告敬遠はすでに日本のプロ野球でも採用されていますね。
ロボット審判というのは、ストライクやボールといった判定を「トラックマン」という弾道測定機で行うものです。
判定は審判にイヤホンを通じて伝えられ、コールする仕組みです。
このロボット審判は「一塁盗塁」と同じでまだ実験段階だそうですが、いずれは採用されるかもしれないですね。
このようにいろいろと試行錯誤しながら進化してきた野球ですが、
かつてのメジャーリーグでは「逆走盗塁」が認められている時期があったそうです。
「逆走盗塁」というのは文字通り、2塁から1塁へ盗塁することです。
わざわざ得点のチャンスを減らすことになるので、何のためにするのかわかりませんが、
実際に「逆走盗塁」を記録した選手もいるそうです。
さすがメジャーリーグにはいろいろな歴史がありますね。
一塁盗塁の新ルールが採用されるとどうなるか考えてみた!
もし「一塁盗塁」の新ルールが採用されると、野球はどうなってしまうのか考えてみました。
まず投手の球種がカットボールやツーシームなどの速球系が多くなるんじゃないでしょうか。
変化の大きいボールは空振りは獲りやすいですが、パスボールの危険性も上がります。
そのためストレート系の割合が高くなります。
しかし直球だけでは打たれてしまうので、少しボールを動かして芯を外すようなボールが多くなります。
そうなると三振が減って打たせてアウトを獲るピッチャーが増えてきそうですね。
お化けフォークが魅力のソフトバンクの千賀投手のようなタイプのピッチャーは減ってしまいそうです。
次に考えられるのは、足の速い選手がますます有利になります。
これまでなら足の速い選手は出塁するといい仕事をしますが、打席での怖さあまりありませんでした。
しかし新ルールが適用されると打席でも脅威になります。
捕手が大きくそらしてしまうと出塁を許すことになってしまうからです。
結果として、打たせて獲るピッチャーが増えるので特に内野手は守備力が重視され、全体的に足の速い選手が優遇されそうですね。
まとめ
現在検討中という一塁盗塁という新ルールですが、個人的にはなかなか受け入れがたいルールだと思います。
実際に導入されることはまず無いと思いますが、もし導入されたら野球が変わってしまいそうですね。
同じく検討中のルールでは「ロボット審判」の方が現実的だと思います。
数年後にはAIが完璧なジャッジを行っているかもしれないですね。
新ルール導入といえば、こちらの「ワンポイントリリーフ禁止」のルールも導入されるようですね。
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